上越市安塚区に完成したばかりの雪中貯蔵施設「ユキノハコ」を見学してきました。新しい建物なので、どんなところか知らない人も多いと思います。ということで潜入レポートを書いて見ました。
ユキノハコに潜入です!
雪中貯蔵施設とは冬に降った冷たい雪の力を利用した天然の冷蔵庫で、雪室(ゆきむろ)という名称で知られています。「ユキノハコ」は2017年に全焼してしまった旧施設の跡地に新しく建てられました。雪を使った貯蔵は単に冷やすだけでなく高い湿度も維持でき、低温多湿の状態で保存することで人参などの甘みが増す効果といった効果があるそうです。
一体中はどうなっているんでしょうね?早速潜入してみましょう!
案内された場所に向かうと木造で三角屋根の大きな建物が見えてきました。窓もなく入り口がどこにあるのかもわかりません…。ここは黙って案内役の方に付いていきましょう。
近づいていくと入り口の横に「上越市雪中貯蔵施設 ユキノハコ」の名称が書かれていました。書体も独特の柔らかさがあって良いですね。
中に入ると、外からのイメージとは違って杉材を使った雁木づくりっぽいデザインです。建物内部は観光用のスロープが外壁に沿ってグルリと設置され、その内側に貯蔵室がある2層構造になっています。外側の壁はすのこ状になっていて、この日はあいにくの風雨で隙間から雨が吹き込んで来ちゃいましたが天気の良い日は風通しも良くて気持ちよさそう。
緩いスロープのついた通路には雪室の仕組みや歴史などが展示されており、中心部に向かって歩きながら知識も身につきます。
いよいよ中心部!
ちょっとした階段を昇り厳重に密閉された扉をくぐると、いよいよ雪室内部に到着!通路右手には高く積まれた雪山が!90トンの雪が入るよう設計されているようですが、今年は雪が豊富なため天井ギリギリまで詰め込んで100トンほど入っています。本当は手すりより低いとこまでの想定だったとか。この雪入れが大変だったそうです。
通路左手側には貯蔵物のコンテナが並んでいて、すでにお米やお酒、野菜などが保存されていました。雪のおかげで電気を使うことなく、この日は摂氏1度ほどの温度をキープしていました。夏でも5度程度に抑えられるのでうっかり薄着で見学に来ると寒いです。気をつけましょう。
出口側からの写真。貯蔵室の床の高さから天井までドーンと雪が積まれています。貯蔵室側の格子の上には送風設備もありますが、基本的には電力を一切使わず自然の力だけで低温を維持できるよう設計されています。
雪室を出ると展示スペースがあり雪深い地域で使われていた道具などが並んでいます。かんじきを履いてソリで荷物を運んでいた昔の生活を垣間見ることができます。
展示場の隣には休憩スペースもあり、くつろいだりするだけでなくミーティングやワークショップなど多目的な用途に利用できます。広さも十分にあるので、貯蔵した雪室野菜を使ったイベントなども開催できそうですね。
これからに期待です
上越市では雪室商品のブランド化を進めており、今後は新しい商品の研究や開発などがこの「ユキノハコ」でも始まるでしょう。観光にも配慮した設計になっているので多くの人に見学してもらいたいなと思います。夏に訪れればひんやりした施設内で雪室の効果を体感できますし、隣には雪だるま物産館があるのでお買い物のついでに寄ったり、コーヒーやジェラート、おやきなどを楽しむこともできますのでぜひお気軽に足を運んでみてくださいね。
快く案内役を引き受けてくださいました雪だるま物産館の増野さん、ありがとうございました!
上越市雪中貯蔵施設「ユキノハコ」
上越市安塚区樽田158番地(道の駅 雪のふるさとやすづか内)