【映画感想】『すずめの戸締まり』今見るべき映画でした!

すずめの戸締まりエンタメ
すずめの戸締まり

新海誠監督3年ぶりの新作映画『すずめの戸締まり』が11月11日から公開されました!

上越が誇るシネコン「ジェイマックスシアター上越」でも初日から複数のスクリーンを占拠していて(今は落ち着いて4スクリーンくらいで上映しています)私が入った回では初めて座席が半分くらい埋まっているのを目撃しました。

『君の名は。』『天気の子』の大ヒットに続く大作なので、これは見逃せぬ!と足を運んで見たら、内容はもちろん素晴らしかったのですが、何というか誰かと語りたくなる映画だったので感想を書いてみました。良かったらお付き合いください!

また鑑賞していない方にも読んでいただけるように前半はネタバレ無し、後半はネタバレありの感想になっています。


ネタバレ無し感想

ドキドキハラハラのロードムービー!

主人公は九州の港町に住む女子高生、岩戸鈴芽(いわとすずめ)さん。登校中に謎の美青年、宗像草太(むなかたそうた)さんと出会い、彼を助ける目的で、まるで家出少女みたいな勢いで故郷を飛び出します。途中で出会う人たちの優しさに触れながら、何かに導かれるように日本列島を東へ、東へ。最後にたどり着いた場所は、すずめさんの子どもの頃の記憶と密接に結びつく大切な場所でした。

物語は冒頭から疾走感溢れる展開で、まだ心の準備ができてない状態のままグイグイと引っ張られ、え?ええ?と何度も叫ぶすずめさんとおんなじ気持ちのまま、あっという間に旅が始まります。ようやく鼓動も落ち着いてきて美しい映像と旅先でのほっこりエピソードに癒やされている頃になって、ようやくストーリーのベースになっている情報が明らかになり進むべき道が見えてきます。

ようやく目的地について、これで旅が終わるのかな?と思ったら怒涛の急展開!この世の理を逆らっても前に進むと決意し、支えてくれた周囲の人たちとわかり合いながら、いろんなものを背負って最後の地へ。巡る運命の輪の中で真実を知るのです。

全体を通じて起承転結がきっちりと押さえてあり、緩急の効いた話の流れがとても心地よくて2時間が一瞬で過ぎていきました。主人公に寄り添って最後まで駆け抜けた爽快感と、本当にこれで正しいのかなって一緒に考え続けた疲労感もあって家に帰ってからもずっと余韻に浸っていました。

単純に楽しいだけじゃなく、しっかりとした重みもあり、すごくバランスの良い映画だったなと思います。

声優さんがすごい!

主人公すずめさんの声を演じたのは人気子役から実力派女優へと成長を遂げた原菜乃華さん、相棒役の草太さんをSixTONESの松村北斗さんが演じています。キャストには正直言って全然違和感を感じませんでした。観終わるまでは実績のある有名な声優さんを抜擢したのだと思い込んでいました。

原さんの声からは真っ直ぐな性格や思いもよらない出来事に戸惑いながらもワクワクしている高揚感、そして大切な人への思いなど数々の感情が、松村さんの声からは神秘性や結構天然なところ、心の奥底にある優しさなど草太さんというキャラクターが持つ性格が上手く表現されていて、他に当てはまる人がいるのかなってくらい自然に主人公たちを受け入れていました。

映像と音楽も素晴らしい!でも映画自体の力を感じる!

新海誠監督の映画と言えば、外せないのが美しい映像とRADWIMPSさんの音楽。今回は映画やゲーム・アニメ音楽の作曲家として活躍する陣内一真さんも加わりました。

眩しいくらいに輝く星空、実写と区別がつかないくらいの繊細な描画力、現実とは少し違う世界へと誘う十明さんの声、盛り上がりに合わせ映像とリンクして奏でられる音楽と、どこを取り上げても相変わらず最高なのですが、前2作の印象に比べるとやや控えめに感じました。

映像に関しては『君の名は。』ではこれから多くの人の命を奪おうとする隕石を、『天気の子』では首都圏を覆う渦巻く暗雲が災害の象徴として描かれ、その姿は畏怖と同時に美しささえ感じるほどでした。今作ではこれまでの大スケールの神々しさから、触れれば感触が伝わる生々しさへと、より近い存在へと変化している影響があるのかもしれません。

音楽もクライマックスの「ここしかない」タイミングで流れるインパクト重視の使い方はあまり感じられず、全体の印象を映像と合わせて的確に表現する程度に留めている印象でした。「スパークル」の間奏からの盛り上がりみたいな部分を期待していたのでちょっと肩透かしでしたが、よく考えてみると3作も続けて同じことをすれば「またか」と言われることにもなるし、映像や音楽で強引に盛り上げるよりはお話に秘められたメッセージを観る人それぞれが受け止めてほしいって思えるし、この映画が持っている力を信じてこの方針を選んだんじゃないかなって感じました。

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